中村俊輔の移籍を受けて思うこと

 1月8日の16時過ぎ、一番好きなサッカー選手の移籍が発表になった。

 うわさは聞いていたものの、こうして現実として発表されるといろんな感情が湧き上がる。

 

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どうして複雑な感情が湧き上がるのか、

昔の記憶を掘り返しながら思い返したい。

そして今現在の感情で書いたものを残したいと思いました。

長文散文で申し訳ないですが、お付き合いください。。。 

 

2002年のこと、チケットをもらった父に連れられて国立競技場に

当時は小学生の低学年だったは訳も分からずその試合を見ていました。

父は読売派だったので野球は巨人、サッカーはヴェルディを応援していたようで青いスタンドではなく緑のほうのスタンドに座った記憶。

 

W杯ブームでサッカーというものに興味がわき始めていた私でもピッチ上のたった一人しかわからない状態。しかしその男を覚えるだけで十分でした。

何故ならその試合彼の海外挑戦前最後の試合。

全観客の目が彼に注がれていたからです。

 2002.7.21 横浜F・マリノス vs 東京ヴェルディ1969

 これが私のJリーグ初観戦。

    

 

 それから何年もたって中学生になった自分はサッカー部への入部し、仲間もできました。

 マリノスが好きな親友ができて初めて親無しでの観戦。

 1年で10試合くらいは見た気がします。

 私たちが試合に行くとなぜか勝てなくて、結局天皇杯の愛媛戦まで未勝利は続きました。マルケスありがとう。

 

 そのころにはドイツのW杯が始まって日本は惨敗。

 落胆とやっぱり日本は弱いという雰囲気が蔓延し、

 そこから海外サッカーへと会話の中心が変わっていきます。

 

 「やっぱりJはレベルが低いから観に行かない」という人もいました。

 それでもマリノスが観たくてスタジアムへ通っていたことを思い出します。

 

 私と親友は別々の高校へ

 横浜の学校へ行くことになった私は親友よりも新しい友達とスタジアムへ行くことが多くなりました。

 部活にも入らずにダラダラしていたので週末はスカパーとスタジアム観戦でマリノスを堪能する生活。

 その頃には山瀬兄や狩野健太という中盤の選手たちがお気に入り。

 

 横浜ダービーのピリピリ感も8-1という試合結果もいい思い出です。

 あの頃は中位に終わっても楽しかったのはなぜでしょうか。

 

 

 

 彼が帰ってくるとのうわさを聞いたのは、高校生活も後半に差し掛かったとき。

 一度目はセルティックからの帰ってくるというものでした。

 しかし彼が選んだのはスペインでの挑戦。

 彼が老け込むのは早いと自分に言い聞かせて彼の選択を尊重しました。

 その間にお気に入りのサイドバックが川崎へ流出し・・・(笑)

 

 それから半年、今度の報せはスペインで苦しむ彼は横浜復帰を考慮しているというもの、

 

 そして彼はマリノス復帰を選択。

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 代表の10番が横浜に帰ってくる!と喜んでいたんですがゴール裏の反応は様々で、

 「横浜のために戦う覚悟はできたか?」

 なんて弾幕まで出る雰囲気。

 

 私はマリノスが彼にとっての''家''でありたい

  

 と思っていたのでそういった雰囲気には反対でした。

 

 期待とちょっとの不安が入り混じったまま復帰戦が来ました。

 彼はピッチ上で鮮烈な結果を残します。

 神奈川ダービー2連戦。

 これは忘れられない2試合。

 

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 FW起用された功治、ボランチで頑張って強烈なミドルまで叩き込んだ健太

 コーナーから高い打点で叩き込む勇蔵。

 たった1人の加入で生まれ変わったようにパスが回って…。

 このサッカーがこれから観れるのか!といたく感動しました。

 しかし現実はそんなに甘くなく・・・。

 8位と例年通りのフィニッシュ。

 そこからあのオフへと・・・。

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 あのとき、久しぶりに中学の時の親友と2人で日産スタジアム

 私は功治、あいつは直樹のゲーフラをもってスタンドに

 試合結果もさんざんで嘉悦社長の挨拶はブーイングでかき消される始末。

 

 試合後、対談が発表された一人一人の選手のコールを選手が出てくるまで・・・。

 直樹の挨拶を2人で見届けれたことは一生忘れません。

 

 2011年のことはあまり覚えていません。

 あの挨拶からたったの1年も経たず直樹は帰らぬ人になってしまいました。

 だから俊輔にも直樹の分マリノスで好きなサッカーを続けてほしいと思いました。

 

 そして2013年

 開幕から一番輝けるトップ下で彼は躍動しました。

 学の台頭やマルキ、佑二、テツの活躍もありましたがチームの原動力は間違いなく中村俊輔でした。

 そして優勝も現実的な目標になってきたある日の試合

 ゴール裏に大きな弾幕が出されます

 

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「俺たちは俊輔と優勝したい」

 

 

 復帰当初は「戦う覚悟はできたか?」とまで言われた男がキャプテンになり、

 それだけでなく実力と結果でマリノスのサポーターのだけでなく、

 復帰に懐疑的な人たちまでも気持ちを1つにした。

 その気持ちにさえ彼はプレーで答えたのです。

 

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  普段冷静で寡黙な男が感情をあらわにしサポーターを鼓舞する姿に感動し、 

 全マリノスサポーターが「俊輔と優勝したい」と思うようになりました。

 

 最後の2試合についてはもう触れたくありません(笑)

 等々力で崩れる俊輔の姿は今シーズン2度目の感情があらわになった場面でした。

 

 その後天皇杯については神様がくれたご褒美と思っています。

 準決勝の鳥栖戦は2013年で一番好きな試合。みんなで立ち直ってこれからも続いていくサッカーというものに向き合って勝利を掴んだ試合だから。

 2点目の美しさが大きな加点をしてますが・・・(笑)

 

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 それから今日までマリノスサポーターの多くが2013年の亡霊に

 取りつかれていると思います。

 2014年、2015年、2016年と今までにまして中位で悔しいのは

 2013年の記憶と俊輔の選手としての残り時間を気にしていたからこそ。

 

 どうして複雑な感情が湧き上がるのか、それはここにあるのかも。

 

 

 

 何年か中位でもがいているうちに、このオフが来てしまいました。

 

 

 今オフに入る前から不協和音というかうまくいっていないことは

 いろんなメディアからくみ取れ、

 小林祐三への契約非更新で、出入りの激しいオフであることも覚悟しました。

 

 そして今日までいろんなリリースがありました。

 

 ユースからマリノス一筋の榎本哲也が浦和移籍、

 ファビオのガンバ移籍など主力級の選手が簡単に

 彼らの言う''ビッグクラブ''へ移籍を決めてしまいました。

 

 ある選手は「俺の知るマリノスではない」といいだす始末。

 

 もうマリノスは国内のビッグクラブでは無くなったのでしょうか。

 そんなことを言えてしまうまでにプライドが堕ちているのでしょうか。。。

 

 そして今日の移籍リリースが出てしまいました。

 クラブのレジェンドであり、キャプテンが移籍を希望していたという事実。

 それは重い事実で、マリノスというクラブに欠陥があったことも本当でしょう。

 

 考えてみると、ここ最近ではマリノスタウン撤退やシティグループの参入という

 大きな変化がありました。

 この2つは「しなければいけなかったこと」だと思っています。

 これがなければ今マリノスがJ1リーグで見れないどころか存在さえ怪しい

 と思っています。 

 

 

 今回のオフで出て行った選手たちは「しなければいけなかったこと」

 を受け入れられない選手が多数だと思っています。

 しかしその伝え方に誠意が足りなかったのは事実です。

 

 その誠意の足りなさが中村俊輔を失う大きな要因だったでしょう。

 

  クラブのビジョンに向かって進むために方向性の違う選手を放出し

 ビジョンに沿った選手を獲得するのはよく考えればごく普通のこと。

 しかし伝え方一つでここまで反感を買いチームがバラバラに、、、

 

 

 

 マリノスを変えたいのならマリノスに残って変えなければ意味がない

 私はマリノスに残って、もしくはこの状況でも力になってくれる新加入の選手たち

 を全力で応援しより良いマリノスになっていくように行動するしかありません。

 

 だから彼が去ろうともマリノスがある限り私はスタジアムへ通う。

 マリノスが好きだから。

 

 

 

 

 最後に、私が中村俊輔について語りだしたらキリがないでしょう。

 なんといってもサッカーの初期衝動は彼そのものであり、

 大人になっても未だに魔法みたいなプレーで魅了してくれる選手だから

 全国の誰に話しても知っている選手で世界でも称賛されている選手だから

 そんな選手がいたクラブを愛せている奇跡、現役バリバリで復帰してくれたこと

 にも感謝します。

 これからのキャリアでもケガなど無いように祈っています。

 

 ありがとう、中村俊輔

 またどこかで会えるが楽しみだ。